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金メダルシューズのつくり方

金メダルシューズのつくり方
著者 三村仁司
出版社 情報センター出版局
出版年月 2002年2月
価格 \1,500
入手場所 平安堂書店
書評掲載 2002年3月
★★★★☆

 陸上競技の長距離種目、特にマラソンをメインに取り組んでいる選手ならば、“三村さんの別注シューズ”を履いてレースに臨むことは、一流選手のステータスの一つとも言えるほど、著者は数々のトップアスリートから信頼が預けられている。

 陸上選手は、レース中に自分の身体以外に頼るものといえば、腕時計の数字とシューズしかない。それだけにシューズへのこだわりというのは、どの競技よりもこだわっていることは間違いないだろう。
 そんな一人一人の選手のベストパフォーマンスを引き出させるため、裏方としてトップアスリートの足を支えつづけている、著者のシューズ作りに対する情熱が、本書からは十分すぎるほど感じることができる。

 三村さんのつくるシューズは、レース時の気象条件や起伏だけにとどまらず、選手の身体の微妙な変化を感じ取り、それらが反映されていて、単なるシューズメーカーの社員と言うにはあまりに失礼に当たるほど、プロの“シューズ職人”の仕事と言えるだろう。
 だが、そんな職人でも、常に試行錯誤によってシューズを作っている様子が、本書から窺うことができる。特に「(裏方は)誉められることより責められることの多い仕事(P93)」という一行は、これまでの苦労がにじみ出ている言葉ではないだろうか。
 この本を読むと、テレビのマラソン中継の際に、選手の足元に目が奪われてしまいそうだ。

 故・中村清監督や、小出義雄監督に至るまで、数々の名監督、そして瀬古利彦・中山竹通・谷口浩美選手などの名選手と直に接してきた、トップアスリートやコーチに関する話も必見。

 タイトルはやや不満。もっと人目を引くタイトルをつけても良いのではないだろうか。

※ 関連書籍:大野益弘著「金メダリストのシューズ

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