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身体運動における右と左

身体運動における右と左
著者 小田伸午
出版社 京都大学出版会
出版年月 1998年9月
価格 \5,600
入手場所 学生生協
書評掲載 2001年2月
★★★★★

 「右(あるいは左)のみの片側だけで発揮される筋力は、両側で発揮される筋力の半分より大きいという事実」に代表される、身体における左右の筋力発揮の不思議なメカニズムを、科学的に解明しようという学術書。

 前半は研究データ中心の難解なテーマが中心だが、後半は、陸上・ラグビーの競技経験がある著者自身はもちろん、短距離走の高野進氏や、ラグビーの平尾誠二氏のスポーツ体験談に基づく話題が中心の、実践的なコーチングに役立つ構成となっている。

 なかでも、「主観と客観のギャップ」に関するテーマは非常に興味深い。
 「一流選手は必ずしも一流コーチにあらず」という話は良く聞くが、選手個人の主観を、他人に客観的に指導するというのは簡単なことではない。また、客観から主観への転換もまた然りだ。

 ところどころに挿入されたコラムも、身近な話題に触れていておもしろい(あのフランク・ショーター氏にまつわるテーマもあります)。
 専門的な学術書であるため、やや取り付きにくいかもしれないが、陸上競技に関する話題が中心になっているので、自身のパフォーマンスの向上、そしてコーチングのためにも、陸上競技、そしてスポーツ関係者にはぜひ一読をすすめたい一冊。

 ただし、内容はとてもすばらしいのだが、誤字・脱字が目立つのが非常に残念。
 P152「左右肢間交()作用」、P177「Aチー()とBチーム」、P185及びP261「スッテプ(→ステップ)」などは許容範囲だが、P171コラムでの広島カープ・大野豊投手の「球を投げる右腕の振り…」は、明らかに「左腕」の誤りであり、このような表記ミスは、この本のメインテーマであるだけに、致命的。

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